いっしょに「5S活動」に取り組みませんか。

私は一般社団法人「医療安全全国共同行動」の技術支援部会の委員をしています。
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医療安全全国共同行動“いのちをまもるパートナーズ”とは、「患者さんの安全を守り、患者さんと医療者がともに安心して治療やケアに専念できる医療環境づくりを促進するために、日本の医療を支える全国の医療機関・医療従事者・医療団体が、施設や職種、専門の壁を超えて、力を合わせて、安全目標の実現をめざす、医療界初の共同事業です。医療安全全国共同行動は2008年に発足し、その活動をさらに推進し、継続発展させるため、2013年に「一般社団法人 医療安全全国共同行動」が設立されました。」http://kyodokodo.jp/
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医療安全全国共同行動では[11の行動目標]を決めて、この行動目標それぞれに、技術支援部会があります。私の担当は「行動目標7 事例要因分析から改善へ」です。
これまでは、事例要因分析の部分で、ヒューマンエラーの関係したヒヤリハット事例の分析のために、ImSAFER分析手法を紹介してきました。このImSAFER分析手法は、エラーがなぜ起こったのかを、人間の行動モデルをベースに分析していくものです。病院の医療安全管理者はもちろん、航空や原子力などの安全に従事している人の利用が増えてきました。
次は、カイゼンへの取り組みです。カイゼンの基礎は、まず、「5S」です。2021年度から、私が代表委員である行動目標7では、各医療機関の5S活動を支援することにしました。すでに多くの病院で5S活動が行われています。これらの病院では、主に安全管理管理担当者が中心になって自助努力で、あるいは、外部の専門のコンサルタントに依頼して、5S活動が行われています。しかし、5Sそのものを知らない医療機関も、まだたくさんあるのが現状です。
私は、各医療機関で、それぞれ独自で5S活動を実行するのは、ゼロから取り掛かるため、効率が悪いと考えています。そこで、図1で示すような体制を作り、各医療機関の5S推進責任者を支援できれば、効率的で低コストの活動が実現出来ると思っています。

図1 5S活動推進体制

現在計画中の5S支援チームの業務内容を図2に示します。

図2 5S支援チームの業務内容

5S活動には、5S推進のための説明資料や実際に活動する時に使用するスケジュール表やチェック表、具体的な物品が必要です。これを各施設の推進者が、自分で勉強して、自分で資料や物品を準備するのは、時間と労力がとてもかかると考えられます。それを5S支援チームが「5S推進ツールキット(図3)」として提供する、という計画です。
支援チームメンバーには、すでに自分の病院で5S活動を経験した人が入っていますので、各病院の5S推進責任者からの質問に答えたり、アドバイスなどもできると思います。
ただし、前提として、医療安全全国共同行動への参加登録(年間登録費用 〈200床以上の病院〉1ヵ年/4万円 (200床未満の病院)1ヵ年/2万円 〈診療所、薬局等〉2ヵ年/1万円1ヵ年は4月~翌年3月、金額は税込)が必要です。

図3 5S推進ツールキット